「教える」こと

あなたは「叱る」派?それとも「褒める」派?育成力アップ 達人に学ぶ [大分県] - 西日本新聞

 

そもそも、何かを教えるというのはある程度まではマニュアル化(明文化)出来るはずだと思っています。職人技っていうのはその先にあるもののはず。

 

マニュアル化出来るということは、そのとおりにやれば誰でもうまく出来る。

ということは、「確実にここは押さえてね」というポイントを製作者は分かっているはず。

 

 Aが出来て、Bが出来て、Cが出来て、最終的にDが完成する。

 

あくまでもDを目指しているという前提があって、そのためにA、B、Cが有るということも理解させないといけません。料理と一緒です。

 

 カレーを完成させる(D)→ルーを入れる(C)→野菜、お肉を煮る(B)→野菜、お肉を切る(A)

 

カレーを作ることを知らずに、「とりあえず野菜切っとけ!」って言われれば切るかもしれませんが、モチベーション上がらないし、工夫を凝らしようもない。

 

A、B、Cをクリアしたら褒めてあげればよくて、そこが出来ていなければ何で出来なかったのかを一緒に考えてあげればいいだけ。

めちゃくちゃシンプルな話。

 

何回もミスするから叱るしかない、とか言う人もいますが、叱って出来るようになるでしょうか。

 

そもそも、なぜ「教えて」いるんでしょうか?

1日も早く戦力になってもらうためでしょう。

それなのに、なんで教えることを諦めて、叱ってしまうんでしょうか。

叱っても出来るようにはなりません。怒鳴っても萎縮するだけです。

本来の目的と、やっている事がズレまくっています。

 

叱るのが好きな人の多くは、気分の悪さを発散する矛先を探しているだけな気がします。

 

 イライラしている(本人も無意識)→怒って発散したい(無意識)→あ、お前またミスしたのか!

 

これは怒りたいから怒っているだけです。ただのストレス発散。

ここから「俺ならこんな間違い絶対しないけどなー、なんでこうなっちゃうかなー」みたいな自分語りが始まるともう最悪です。

 

なぜ間違えたのか、どうすれば次から間違えなくなるのか。

叱るよりも自分語りをするよりも、本質はここにあります。

 

それを丁寧に解きほぐしていくと、もしかしたら新人じゃなくてもミスをする可能性が見えてくるかもしれません。

 

 会社は競争だ!そんな甘いことを言ってられない!

 上司は舐められたら終わりだ!厳しくきびしく!

 

みたいな意見を聞くこともあります。

 

 ダメなやつは要らない!優秀なやつだけが欲しい!

 

でも、優秀な人はそんな会社に入社しないでしょうし、入社しても居着かないでしょう。

そもそも、入社時点で優秀でも、そこから教育しないと実ビジネスで優秀な人材にはなりません。(よっぽどの天才でない限り)

あと、自分を怖い上司に見せることのメリットってなんでしょうか?

 

結局、会社として、組織として、やったことが跳ね返ってきて、遠回りをしていたと後から気づくことになります。

 

一点間違えてはいけないことが、褒めるのは良いところ、出来たところだけです。

だめなところを褒めるのは違います。本人が混乱します。

 

 ここがダメだったね、だからこういう結果になった。

 なんでダメだったか分かる?なんでそうやったか、覚えてる?

 

本人もミスをしたことは理解しています。だから褒められたら混乱する。

 

遠回りに見えますが、成長してくれるのであれば逆に近道です。

 

教えるって根気のいる仕事ですが、そもそもなんでやっているのかを忘れないようにしたいものです。